@上 体
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頭は、アゴを出すことなく真直ぐに保つ。
アゴを出すと背・腰が丸くなり、腰が引けて馬の反動で騎座が後方に跳ね上がる(図 1)。 また、アゴを引きすぎると背が硬く、柔軟性に欠けて馬の反動を吸収することが出来ず、身体のバランスが悪くなり随伴(馬の動きに着いていくこと)出来ない。
- 視線は、下を見ることなく目と同じ高さで、馬の耳と耳の間から進行方向を見る。下を見ると頭が前に傾き、上体は前傾し、騎座は後方にずれ、脚は前方に出易い。
- 上体は、緊張させることなく背を真直ぐ伸ばし、肩を落とした状態で胸を張る。
胸を張り、緊張することなく肩先を身体の真横に置き(図 2)、腕や拳が前後に動き易い姿勢をとる。背を丸くし肩先が前に出ると(図 4)腕や拳は斜めに動き易いが、馬の操作に必要な前後の動きにはスムーズに動かない。
腕、拳を前後に動かし易くするには、肩を落とし胸を張り、左右の肩甲骨を背でつけるような感覚で乗ると、肩先が身体の真横にきて肩の動く範囲が広くなる。
- 背、腰は、丸めることなく(写 1)背骨を真直ぐ上に伸ばす。背を伸ばして乗ることにより重心が反動の度に前方に移動する。背や腰を丸めると(図 1)腰が引け、鞍の正しい位置より後方に座わるようになる。
その結果、脚が前に出て重心が後方にはね上がり、馬の反動を正しく吸収することができない。
馬は前へ、身体は後にという状態になる。
- 上腕は、肩や肘の関節を柔軟にし、肘を開いたり、わき腹を締め付けることなく自然に垂らす。
肘は、肘、拳、銜が一直線になるように角度を決めると、肘や拳の位置、高さも自然に決まってくる。肘の角度は伸ばすよりも曲げたほうが、肩や肘の関節が自由に動きやすい。
特に注意することは肘を開いて乗ることで(脇が甘い)、肘を開くと背、腰が丸くなり、アゴが出て反応が鈍くなる。他のスポーツをみても肘を開いて行う種目は見当たらない。
- 手首は、柔軟を保ちながら伸ばし、親指の爪が上を向くようにして指の第二関節を向かい合わせる。
- 手綱の握り方は、卵を手の中で軽く握るような感覚で指を曲げ、指の外側は小指から人差し指まで関節をきれいに揃え、おおむね垂直に保つ。
手綱の滑りを防ぐために人差し指の第二関節の上に手綱を置き、親指を逆に反らすことなく親指の腹でかるく押える。手綱の握り方で注意することは、手綱の滑りを防ぐため、小指と薬指で手綱を強く挟さんで握り締めない。
特に、小指、薬指、中指の三本は、銜や手綱を介して馬の口とのコンタクトをとるため、常に柔軟な拳を保つ必要がある。
前進はもちろんのこと、停止、後退も同じ力で強く握り締めない。指に力をいれて握り締めると、馬の口に硬く、また、強くあたるため、馬は口が痛くて反抗したり、銜に突進する等、上手くコンタクト出来ない。また、上体のバランスが悪く手綱にしがみつく等、拳の硬さは、騎手にとって致命的な欠点になるので、特に注意しましょう。
- 拳の高さは上腕の長さ等、各個人の体形によつて多少違って来ます。大切なことは肘・拳・銜が一直線になり、肘、手首の各関節がスムーズに動き、自分に合った操作し易い肘の角度を保つことです。
- 腕の外側は肘から指の第三関節まで真直ぐに(図 2)、腕の下側は肘から指までおおむね真直ぐに保つ(図 3)。
- 障害飛越等、腕の操作が大きいときには肩や肘の関節を、馬場馬術等、ち密な操作には手首や指を主として使います。
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正しい姿勢(写1)
→は反動を吸収する方向
(図1)
→は反動がはね返る方向
(図2)
正しい肩の位置は、
肩や肘が前後に動き易く、
手綱の動く方向と一致する。
(図3)
腕を横から見た姿勢
(図4)
肩先が前に出ると(背が丸い猫背の状態)肩・肘の関節は斜めに動き易いが、馬の操作に必要な前後の動きにはスムーズさに欠け、手綱の動く方向と肩の動きが合っていない。
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